UX Flowchart Cardsを買ってみた
Sketchは使いこなせないし、ペーパープロトをやろうにもまずわかりやすくパーツを描くことに気を取られてしまいそうです。どうしても新しいことをやってみるときには仕方のないことではありますが、もう少しアナログでテンプレート的なツールを使うことはできないかな、と感じていたところ、こんなものを見つけたので買ってみました。
UX Flowcharts | UX Cards and Useful Digital Tools for UX Planning | UX Flowchart Cards
使ってみた
こんな感じです。今関わってるプロダクトの新規機能の一部を仮で並べてみたものなので詳細は説明しませんが、大体の使い方はわかっていただけるかと思います。
届いてみて想定よりもかなり小さかった *1 のには驚きましたが、実際に並べてみると納得。トランプほどの大きさだと、場所を取りすぎて自分の机の上でさっとならべてみるという感じではなくなります。
また、並べながら感じたのですが、小さめの付箋でコメントやキャプションを入れながら並べていったほうがわかりやすそうですね。そうやって並べたものを写真に残しておいて、蓄積して何度も並べ直してからましなものを使う、という感じで。
まとめ
ある程度カードに描かれているテンプレートの種類を覚える必要がありますが、基本的に要求されることはテンプレートからカードを引き出して構成していくことです。私のようにSketchもまだ覚えてない、絵も綺麗に描こうとして遅くなってしまうというタイプには使い始めるまでのコストが非常に低いというところが気に入りました。カードの組み合わせから合意に至った案をSketchなりで清書すればいいわけですし。
複数人でワイワイ使うのも楽しそうですね。デザイナさんとUXの案を出す席に持ち込んで、自分でも並べてイメージを持ちながら一緒にアイデアを出すようにしたいと思います。
思いつきで買ったのですが、いい買い物でした。
*1:一般的なトランプの半分くらい
2016年6月の読書メモ
今月は結構本読むのに集中できました。この記事書きながら「AIの遺電子」の2巻が出てることを知りました。買わねば。
今月の読書量
10冊ですか。そこまで読みきった感じはなかったんですけど行きましたね。
クロニスタ 戦争人類学者
- 作者: 柴田勝家,bob
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2016/03/24
- メディア: 文庫
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感情も知識も共有する技術が普及し、新たな管理体制とそこから逃れる者との間に格差が生じる近未来。軍属の人類学者がアンデスで出会った少女は、自らの出自をエル・ドラドだと言った。
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月29日
軍から離れ、行動を共にする中で様々なものを失いながらたどり着く真実とは? #読書メモ_サマリ
作品のそこかしこから感じる皆川亮二臭。俺はこれを皆川亮二の絵で読みたいぞ。
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月29日
人類補完計画で補完されなかった側ってどうなるんだっけ?という疑問とやっぱり、という同一性の暴力をまざまざと見せつけてくれる。SNSが近い世界観になってる気がして少し嫌な後味が残る。 #読書メモ_感想
スマートフォンアプリマーケティング 現場の教科書
- 作者: 川畑雄補,丸山弘詩,荻野博章
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2016/06/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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スマートフォンアプリの企画からローンチまでのプロセスで、売れる(あえて身も蓋もない表現をするけど)ために何を検証し、気をつければいいか、現場の視点でシーケンシャルにまとめられた本。 #読書メモ_サマリ
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月29日
単純にこれから必要になる本。マーケティングってこんなことしなきゃ行けないんだ、という不安が率直な感想。大丈夫か、俺。 #読書メモ_感想
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月29日
MdN 2016年6月号
- 作者: MdN編集部
- 出版社/メーカー: エムディエヌコーポレーション
- 発売日: 2016/05/06
- メディア: 雑誌
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メインは「惚れる悪の造形」。魅力的な作品の悪役はなぜ人の心を掴むのか、その造形の歴史と出自について特集する。 #読書メモ_サマリ
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月29日
やっぱりさあ、キングギドラは格好いいんだよ、ってか志々雄真実はどうした、造形といったらゼットンも外せなくね?とか言いたいことはあるんだけど、それは人それぞれ。
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月29日
惚れるデザインじゃなかったらやっぱり盛り上がらないよね。 #読書メモ_感想
D坂の殺人事件
- 作者: 江戸川乱歩
- 発売日: 2016/03/15
- メディア: Kindle版
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近所の古本屋の女主人が殺された。近くの喫茶店に出入りしていて、偶然その様子を見ていた「私」と明智小五郎は、警察の捜査が頼りないことを見て独自に捜査を開始する。 #読書メモ_サマリ
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月29日
手軽に読める分量なのが良い。乱歩は結構好きだから、青空文庫に入ったのは純粋に嬉しい。
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月29日
落ち前の壮絶なまでのぶん投げかたとそこからの落ちが力業というか、この雰囲気だよって感じで良い。 #読書メモ_感想
AIの遺電子 1巻
- 作者: 山田胡瓜
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2016/04/08
- メディア: Kindle版
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AIに人権が認められ、関連法も整備されて市民として生活している未来。法的に真っ当な治療を受けられないAI専門の医者とAIとの間の物語をオムニバスで。テクノロジーと人との間にあるものを考えさせられる作品。 #読書メモ_サマリ
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月29日
初っぱなから、自己の同一性に関する話でぶっこみ方に驚いた。
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月29日
ダイアローグはあって心情は描かれているんだけど、心はもしかしたら受けとる側の認識の中に生まれるのではないかと思わせる。 #読書メモ_感想
7つの習慣
- 作者: スティーブン・R・コヴィー
- 出版社/メーカー: キングベアー出版
- 発売日: 2014/05/23
- メディア: Kindle版
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人生における成功を掴むために必要なことは人格であるという前提で、人格を作り、人との関わり合いの中で成功を収めていくために身につける必要がある習慣について。 #読書メモ_サマリ
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月29日
フィードフォースの鈴木CTOに教えていただいた本。
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月29日
人間、当たり前のことがなんと難しいことか。各習慣の実践にブックマークしておいて、それを見返すようにした。 #読書メモ_感想
二銭銅貨
- 作者: 江戸川乱歩
- 発売日: 2016/02/02
- メディア: Kindle版
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近所の会社で給料泥棒があり、犯人はつかまったが金は出てこなかった。貧乏下宿人の「私」が釣り銭でもらった二銭銅貨に不可解な点を見つけた友人は、銅貨にあった仕掛けから給料泥棒との接点に気づき。。。 #読書メモ_サマリ
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月29日
主人公が焦ってなさすぎるのが結末の後味に効いてるように思う。知的好奇心と優越感を逆手にとる辺りとか、悪事に対する淡々とした感じとか、気持ち悪くて大人向けの乱歩は良い。 #読書メモ_感想
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月29日
春琴抄
- 作者: 谷崎潤一郎
- 発売日: 2016/02/02
- メディア: Kindle版
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商家に生まれた春琴は、三味線の才能があり美人であったが、盲目であり、また性格に非常に難がある激しい女性だった。しかし、丁稚として商家に奉公しに来ていた少年は、三味線の稽古を通じて彼女に身も心も捧げて仕えていく。 #読書メモ_サマリ
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月29日
文体が読みづらい。最初底本から起こす時に句点を打ち忘れたのかと思った。
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月29日
DVと共依存バリバリの関係に耽溺するというのは、なんでこう文学のテーマとして美しいのか。現実は見てられないけども。 #読書メモ_感想
少ない投資で大きく儲けるデザイン戦略 視覚マーケティングのススメ
- 作者: ウジトモコ
- 出版社/メーカー: クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
- 発売日: 2011/10/18
- メディア: Kindle版
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デザインはコストではなく投資で、その投資を生かすために必要なプロダクトの方向性に合わせたマーケティング戦略について書かれている。基本から、細かいお作法について、実例もあってわかり易い。 #読書メモ_サマリ
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月29日
デザインとデコレーションは違う、ということは「誰のためのデザイン?」とか読んだ頃から思ってて、コミュニケーションだよねと。マーケティングはお客様とのコミュニケーションだと考えるといいのか、と思った。
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月29日
デザインという言葉はそろそろ本来の意味に戻った方がいいと思う。 #読書メモ_感想
手書きの戦略論 「人を動かす」7つのコミュニケーション戦略
- 作者: 磯部光毅
- 出版社/メーカー: 宣伝会議
- 発売日: 2016/04/23
- メディア: 単行本
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マーケティング戦略がカスタマーとの間のコミュニケーションをどう捉えながら進化してきたか、大まかな歴史とそれぞれのコンセプトについて、図を交えながら説明する。 #読書メモ_サマリ
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月29日
とにかく分かりやすい。カスタマージャーニーの作成ステップとか、某書籍よりも扱い短いのにこっちの方が参考になるくらい。
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月29日
図の描き方が上手くて真似ていきたい所存。後で物理で買っても良いかも。 #読書メモ_感想
今月のベスト本
「クロニスタ」も捨てがたいんですが、自分にとってのわかりやすさという点で「手書きの戦略論」をあげたいと思います。これは後で物理で買ってもいいかも、というくらい。
Agile Japan 2016 高松サテライトに参加しました
本当は玉川さんの基調講演を岡山の人にも聞いてもらいたかったので、岡山サテライト開催しようと思ったんですけどね。なんかサテライト開催の挙手のタイミングが全くわからないまま、妻の入院やらバタバタしてたらいつの間にか時期を逃してしまっていましたとさ。
結果として、高松サテライトに行ってよかったです。他のコンテンツも当然よかった中でこんなこと書くのは本当に心苦しいのですが、私にとっては平鍋さんのセッションをやっと生で聴けたということに尽きます。大体この辺の反応を見ていただければ、その大きさがお分かりいただけるのではないかと思います。
プロジェクトファシリテーションの資料は今の仕事の原点 #ajtakamatsu
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月25日
どういう環境、制約の中ででも、前よりもチームやプロジェクトを良くすることはできる。望む世界ではないけど、それに近づくことには意味がある。少なくとも現場には。 #ajtakamatsu
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月25日
やりたいことはアジャイルじゃない。生き生きと仕事したいし、お客さんと喜び合えるのであればいい。その通り過ぎてぐうの音も出ない。 #ajtakamatsu
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月25日
ミーハーになったよ pic.twitter.com/OoyLovLHc1
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月25日
そして、ホルスティーマニフェストですよ。裏には平鍋さんの訳が。自分にとっては、これを平鍋さんから頂いたということに価値がある。 pic.twitter.com/iUHUjJGc67
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月25日
私の今の仕事のスタンスは、平鍋さんのこのスライドに出会ったことで形作られたと言っても過言ではありません。うまくいかなかった時に、何度このスライドを読んだことか。
www.slideshare.net
ただ、実際にセッションを聴く機会は今までなかったんです。やはりセッションは実際に聴くに限ります。あれだけ読んでいてもちゃんと発見がありました。
壁に貼るってのは、問題vs私たちの構造を物理的に作る方法でもあったのか! #ajtakamatsu
— あべさん (@mao_instantlife) 2016年6月25日
あ、あとね、この流れでとってつけたようになって申し訳ないですが「Minimum Loveable Product」という概念すごくよかったです。ユーザにとって良い驚きの最小単位を考えるのはリリースの目的も言葉にしやすいですし、そのためにやらなければならないことが今読んでる本も試行してることも、そこまで方向性がずれてなくて少し安心しました。
ともあれ、まだまだ仕事は楽しく変えていける、と思いを新たにできました。このところはキャッチアップが中心になっていた勉強会参加で、久しぶりにプリミティブな動機をもらった感じ。
世界を変えるアイデアに実行力を
今までで一番ズレすぎててこっぱずかしいエントリを目指します。
前にフィードフォースCTOの鈴木さん( @hapicky )に「7つの習慣」を紹介されて、ようやく読み終えました。それ以前から、具体的には2年ほど前から、自分がどういう風に評価されたいか、ということに変化が出てきてる感じがありつつなかなか言葉にできずにもやもやしていました。これを読んで刺激になったからなのか、ようやく言葉になったんですよ。と同時に、これにともなう不安と向き合ってく腹が括れました。
- 作者: スティーブン・R.コヴィー,フランクリンコヴィージャパン
- 出版社/メーカー: キングベアー出版
- 発売日: 2016/06
- メディア: 単行本
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mao-instantlife.hatenablog.com
で、エントリのタイトルが私のミッションステートメントというか理念です。これは、私が「あなたがいたから、このアイデアは実現したんだ」と言われて評価をされたいということ。おそらくは凡人であり、世界を変えるイノベータでもない、最高のコードが書けるプログラマでもない、美しいデザインを提示できるデザイナでもない私が、一番楽しく社会に貢献してちゃんと対価を得られる道なのではないかと思ってます。
たいていの場合、アイデアはそのままでは世界を変えることができません。アイデアにおいて実現する世界(ビジョン)と現実におけるギャップをどうにかして埋めていく必要があります。アイデアを実現させるためには、地味で先の見えづらい、コツコツとした作業が必要になります。
- そのアイデアは誰を、どのように幸せにしたいのか?
- どういう形であれば最も伝わるか?
- 事業になるか(継続性)?
- それで不幸になる人はいないのか?
こういうことを一緒に考えて、整理して、可能なところは調査をして、実現への道筋を立て、具体的なサービスとして世に出していく。システム思考やその他のスキルを使って、整理された要求やKPIなどに落とし込んでリリース可能な形にする。そういうことをしていきたいんだということがわかってきました。
ビジョンを見るってスキルじゃなくて才能だなあ、と感じています。世界をこう変えたい、こうあるべきだ、みたいな思い込みって、ある種の人にしか持ち得ないのではないかと。その人が0を1にするには、それなりの実行力を持った人と出会うか、自分が実行力を持つかのどちらかしかないわけです。
私個人は、自分がビジョンを見ることは諦めてます。世界をこう変えたい、とかあまりない。思いついてもどこか借り物っぽいことは自覚しています。でも、誰かに示されたビジョンに共感することはあります。そのビジョンで自分も幸せになれそうだな、と感じることはあります。
これからの人生は、一つでも多くその手助けをできるように、スキルを磨いたり準備をしていきたいと思います。
って、作文みたいに終わっちゃったよ^^;