【読書メモ】2015年10月読了分
続ければ量は安定してくるものですね。感想とサマリの分量が修正しなくても短すぎず長すぎず、に収まるようになってきました。それと同時に、ジャンルに限らず読むスピードも安定してきている気がします。
10月の読書量
今月はボリュームのある本を2冊選んでいたので、少ないだろうなと思っていましたが、漫画もそれなりに読んだこともあって10桁行きました。
このペース以上に積ん読が溜まっているのはちょっとどうかと思います。
Away 2巻
- 作者: 萩尾望都,小松左京
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/09/10
- メディア: コミック
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小松左京の「お召し」を原案にした作品の完結編。子供が分断された世界で少しずつ社会が構築されていく様子が描かれる。また、原作には描かれていなかった帰還後の様子も描かれている。 #読書メモ_サマリ
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 10月 30
唐突に終わった感があるけど、原作にしたって同じようなものだった気がするので気にならなかった。帰還後の様子を描いてたのは、ラストへの伏線だったけど、この部分には今の時代の影響が伺えた。少なくとも2011年以降じゃないとこの翻案にならなかったのではないかと思う。 #読書メモ_感想
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 10月 30
竜の可愛い七つの子
- 作者: 九井諒子
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2012/10/15
- メディア: コミック
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「ダンジョン飯」の九井諒子の短編集。日常にファンタジーをなじませたタイプの7作品を収録している。 #読書メモ_サマリ
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 10月 30
「ダンジョン飯」ももちろん傑作だけど、ほんと、短い作品の出来は神がかってる。「わたしのかみさま」の星新一っぽさといったらもう。
後、「狼は嘘をつかない」とかの手法は「ひきだしにテラリウム」でも割と使ってたので、器用な人なんだと思う。
やっぱり好きな作家。 #読書メモ_感想
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 10月 30
逝きし世の面影
- 作者: 渡辺京二
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2005/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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明治維新期からの否応なしに要求される近代化の中で失われた文明はどのようなものだったのか。この時期に日本を訪れた外国人の、文化的に異なる背景からくる新鮮な驚きを記した各種記述からその有り様を描き出す。 #読書メモ_サマリ
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 10月 30
今の日本人像が西洋近代的な価値観で評価されていること、それ以前の日本が異なる価値観で生きていたことがよくわかる大著。歴史の浅いアメリカをあんまり笑えないと思った。
タイトルが良い。外国人に強烈な印象与えた文明の幻影のようなものが浮かび上がってくるような感じ。 #読書メモ_感想
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 10月 30
マイナス・ゼロ
- 作者: 広瀬正
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/07
- メディア: 文庫
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浜田俊夫は、東京大空襲の最中に、隣に住んでいた「先生」に18年後の同日、同じ場所に来ることを頼まれる。戦後、落ち着いてた生活を送っていた俊夫がその通りにしてみると。。。
昭和初期の生き生きとした光景描写とタイムパラドックスの解決が光る日本の時間SFの傑作。 #読書メモ_サマリ
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 10月 30
再読。こんなにときめく話だったっけ?ボーイミーツガールとしても充分読める綺麗な話。幾つかの謎は置かれたままになってるけど、それが良い読後感に繋がってる。
読むときは、是非メモと年表を取りながら。繋がってくるのがよくわかる。 #読書メモ_感想
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 10月 30
流
- 作者: 東山彰良
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/05/13
- メディア: 単行本
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1970年代から90年代の台湾を舞台にした、中国本土から逃げてきた国民党の残党を祖父にもつ青年の物語。
蒋介石が死んだ翌年に祖父が何者かに殺される。祖父の死に多感な時期を振り回されながら半ばヤケに生きる主人公の姿を描く。 #読書メモ_サマリ
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 10月 30
正直なところ少し期待外れ。血と縁をテーマにした大河ドラマかと思っていたがその大半を青春ドラマに費やされていて、大河な部分は年寄りの思い出話の中。最後の着地点は中々好きだけど、煽りが大き過ぎる。 #読書メモ_感想
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シャッフル航法
- 作者: 円城塔
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2015/08/27
- メディア: 単行本
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想像力と表現のエッジを突き進みながらSFと文学の新しい地平を切り開く作家の短編集。小説として成立するギリギリのところを狙っているような表題作やSF的表現というか表現的SFというかそんな感じの短編まで幅広く。 #読書メモ_サマリ
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とにかく今一番好きな作家。追いつける人だけ追いつけば良い感じ。言葉を楽しめばそれで良い。
githubアカ持ってるような作家だし、小説書くのにプログラム書くような作家だから、技術に関する説明なんかはしっかりしてるし、みんな読むと良いよ。 #読書メモ_感想
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 10月 30
天地明察 1〜2巻
- 作者: 槇えびし,冲方丁
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/09/23
- メディア: コミック
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- 作者: 槇えびし,冲方丁
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/03/23
- メディア: コミック
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日本独自の暦を作った渋川春海を描いた冲方丁原作の同タイトルを漫画化した作品。
囲碁の名門の家に生まれた渋川春海(安井算哲)だったが、囲碁の世界には集中できずに算術と暦に明け暮れている。ある時、出入りしている会津藩勘定方安藤から算額の話を聞いて行ってみたところ。 #読書メモ_サマリ
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 10月 30
囲碁の話もちょいちょい出てくるし、碁盤もちゃんと書かれててそっちも少し興味が出てきた。本因坊はさすがの俺でも知ってるぞ。
ただ、渋川春海の髪型気になる。周りの描写がちゃんと時代劇してるだけあって、ちょっと浮いてるんですが。あれは、何の説明もないのかな、これから。 #読書メモ_感想
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 10月 30
EDEN 1〜2巻
- 作者: 遠藤浩輝
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/05/02
- メディア: Kindle版
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- 作者: 遠藤浩輝
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/05/02
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体が硬化するウィルスの流行で、絶滅の危機に瀕した人類はサイボーグ技術の進歩などでなんとか生き延びて復興している。
麻薬カルテルのボスの息子であるエリヤの旅と成長を描く。 #読書メモ_サマリ
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 10月 30
第1話は、前日譚として別の作品として独立しててもおかしくない感じで、第2話からが本番だった。作品の空気も少し違う。
読み始めはオムニバスのような作りかと思ったけど、どうやらちゃんとした筋があるらしい。淡々とした空気は嫌いじゃない。 #読書メモ_感想
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 10月 30
マンガで食えない人の壁 -プロのプロたる所以編-
- 作者: NPO法人NEWVERY内トキワ荘プロジェクト
- 出版社/メーカー: NPO法人NEWVERY
- 発売日: 2014/11/12
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漫画家としてプロになれない人と、第一線で活躍し続ける人とは何が違うのか?
編集者、漫画家で実際に活躍している人同士が、デビューするための方法や壁にぶち当たった時の対処法、プロになるために意識していたことについて対談する。 #読書メモ_サマリ
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 10月 30
やはりプロの第一線はかなり自覚的にビジョンを持って取り組んでる。それと同時にクリエイティブな領域で自分のスタイルを保つことがいかに難しいかも感じさせる。
新條まゆの、聴く耳は持つけど成功した人しか参考にしない、というスタンスは割り切ってて好き。 #読書メモ_感想
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 10月 30
漫画貧乏
- 作者: 佐藤秀峰
- 出版社/メーカー: 佐藤漫画製作所/漫画onweb
- 発売日: 2014/05/30
- メディア: Kindle版
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苦労してなった漫画家としての生活は続ければ続けるだけ貧乏になる過酷なものだった。これから縮小する業界の中で漫画家を続けて食っていくにはどうすればいいかを考えて行動した漫画家の記録。 #読書メモ_サマリ
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 10月 30
アニメーターの話と一緒だなあ。というか、自分が雇ってる人に対して給料払うのも厳しいとかどんだけブラックなのよ。。。
この人、炎上しやすいイメージあったけど、至極真っ当にビジネスやりたいだけで、それがこの業界にない、ということがよくわかる。 #読書メモ_感想
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 10月 30
10月のベスト本
「逝きし世の面影」です。圧倒的な情報量にやられたという側面もありますが、異なるバックボーンでより鮮明に見えてくる文化の描き方が新鮮でした。失われてしまったものを美しく感じるのは日本人だけの感覚ではないようです。