誰のためのデザイン? 認知科学者のデザイン原論
誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)
- 作者: ドナルド・A.ノーマン,D.A.ノーマン,野島久雄
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 1990/02
- メディア: 単行本
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私は大学3年生のころに認知心理学のサブテキストとして出会い、講義そっちのけでサブテキストを読んでいました。書かれてある内容に一々納得し、設計・デザインとはこうあるべきなのだ、と目を開かされた記憶があります。それ以来、節目節目で読み返しています。
構成
本書は日常の道具のユーザーインターフェースについて考察し、人間の思考モデルから良いデザインの原則を論じます。
悪いインターフェースの見本として頻繁に槍玉に上がるのは電話です。それはもう、どれだけ恨みがあるんだと突っ込みたいくらい頻繁に槍玉に。ちなみに、次点はドア。やはりよく利用するものに関しては考察すべきことが多いようです。
人の認知モデル
著者はヒューマンエラーが発生する原因としてシステムのインターフェースが人の認知モデルと合致していない事をあげています。
人が行為遂行する場合のサイクルは以下のように定義されています。
- ゴールの形成
- 意図の形成
- 行為の詳細化
- 行為の実行
- 外界の状況の知覚
- 外界の状況の解釈
- 結果の評価
2〜4でシステムに対してインプットをおこない、5〜7でアウトプットを解釈して1で想像したゴールと比較します。
そして、インプットとアウトプットがユーザーのもっているモデルと異なる場合、その隔たりがヒューマンエラーを引き起こす原因になると述べています。