「スマートフォンアプリマーケティング 現場の教科書」を読みました
PMJPでレビューに手を挙げて、著者のお一人である川畑雄補様よりご恵贈いただきました。
- 作者: 川畑雄補,丸山弘詩,荻野博章
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2016/06/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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より深い理解は、会社に持って行って仕事で使いながら得ていかないといけませんが、まずは通読しましたので、ご紹介いたします。
私の背景
まずは、私がどういうポジションでこれを読んで、所感を書いているのか、評価の上で重要な項目だと思います。これを整理しておこうと思います。
- エンジニアからチームのマネージャ、プロダクトマネージャというキャリア
- エンジニアのキャリアはサーバサイド中心
- 初めてのプロダクトマネージャ現在進行形
- 担当プロダクトはWebサービスからスタート予定
- アプリ化は未定
というところです。つまり、本書の内容全てについてすぐに関わるわけではないが、企画やマーケティングなど、プラットフォームに依存しない部分に関しては当事者として読める、というポジションです。
本書の内容
本書はスマートフォンアプリの企画などに携わる人を対象に(おそらくディレクターやプロダクトマネージャも対象)アプリを取り巻くビジネス環境から、企画、リリース後の運用改善までのライフサイクル全般を取り扱っています。ライフサイクルの各ステージに沿って章立てされ、そのステージで必要な現場のノウハウが具体的に書かれています。通読をすれば、時系列でわかるようになっています。
所感
通読での所感をまとめます。
まず、企画や調査に関するツールやサービスの情報がかなり具体的で、アプリの開発でなくても、このような仕事に初めて取り組む上では助けになる情報がありました。その分、これから先、どのタイミングで読むかによっては一部情報はアップデートが必要になるのではないかと感じました(特にルール面)。
ライフサイクルを一通り網羅しているので、プラットフォームに依存しない形でサービスを提供するという流れで読むこともできます。その分、専門性の高い知識に関しての記述という点では概要を抑えておくのみ、というレベルです。しかし、それらの情報へのポインタはしっかりあるので、必要になったタイミングでどんな情報を探さなければならないかに迷うことは少ないと思います。
ただまあ、率直な話、今のキャリアにおいてこれら全てを一人でやりきろうとするのは非常に辛いな、と感じます。面白い仕事であることには間違い無いのですが、どのくらい仲間を作って一人で追いすぎないようにしようかと考えています。どこにも「一人でやるべき」と書いてないので、チームでやること前提で読んでも良いのではないかと。
自分の仕事に対して
エンジニア出身なので、特にマーケティングや分析などビジネス面での打ち手を現場でどうすればいいのか、あまり具体的な情報が得られないところで不安がありました。もちろん、本当に不安が解消されるのはプロダクトが成功を収めた時なのですが、自分がやらなければと思っていた仕事の範囲がより具体的に見えたように感じます。特にChapter 10以降は、そろそろちゃんと考えておかないといけない箇所だったので、このように具体的に行動フローが見えてくる本の存在はありがたいところです。
とりあえず、UIステンシルとSketch欲しいな、と切に思いました。先に手書きできるようにしておいた方がツールに引っ張られすぎないと思うので、ステンシルから、と。Sketchは個人で買おうと思っているので、ライセンスを調べる必要がありますが。
時系列でまず通読した後に、自分が置かれているステージに合わせて、スコープを限定してやるべきことを整理していく使い方がいいのではないかと思います。
蛇足、URLの記載方法に関しての要望
注釈や参考資料に特定の記事やレポートに対するURLの表記が多いので、QRコードで表記してあると参照が楽だったかな、と思います。紙の本を読むときにはPC開いてサイトを調べるというのは少々面倒で、スマホでページを参照したいです。URLの長さがスマホだと打ち込むのが少し辛かったので、とりあえず後で、という感じになってしまいました。QRコードの利用は、「サービス・デザイン入門」という本で見たのですが、非常にうまいやり方だと感じました。