冥冥乃志

ソフトウェア開発会社でチームマネージャをしているエンジニアの雑記。アウトプットは少なめです。

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2週間ほど在宅勤務していました

4/6から4/19まで妻が体調を崩して入院しておりました。私が体調を崩したというわけではありませんが、毎日の家事(洗い物や洗濯物)を片付けたり妻の看病をしながら仕事をしたいということで、在宅で仕事をしていました。様々思うことあったので整理しておきます。

在宅勤務をする上でのルール

  • マシン、通信については会社のもの
  • 拘束時間は週40h(管理職で裁量労働制だからかも)

在宅勤務直前のチーム状況

「マネージャのチーム離れ」を目指してチームイベントの大半をメンバーに任せて運営していたこともあって、仕事の状況が私とメンバーで分かれているという状況でした。アサインされている案件も私とメンバーで違う、という状況。

また、メンバーの案件についてはGOがなかなかかからない状態で、コストの問題もあって大きくチームを動かさないといけない状態にはならないだろう、という見込みもありました。メンバーが取り組んでいる案件については、今メンバーがハンドリングしている方法で問題ないだろう、という。

コミュニケーションに関する各種ツールの導入状況は以下で、基本的な情報は外からアクセスできるようになっています。

その他にも内線として使っている携帯電話を持参しています。チームイベントとしてやっている朝会はチャットワークで専用のルームを作って情報を発信するようにしました。

チームではなく自分の仕事としても外部のパートナーさんとのやりとりも在宅勤務前からChatWorkとDropboxを経由していました。

在宅勤務中に感じたこと

場所と時間はあまり問題にはならなかった

ハードなチーム状況ではなかったということと、私が持っているプロジェクトがほぼ一人で進めていて個人タスクが多かったということがあって、メンバーと頻繁に同期をとらなくても良い状態で進めることができました。基本的に連絡はChatWorkとメールで事足ります。ChatWorkとGithubとメール見ればほぼ情報は追えるので、同じ時間帯でなくても必要なことに対しては議論がきちんとできました。

2週間の連絡実績は、

  • 電話->なし
  • チャットワークでのWeb会議->チーム内は必要なし、私が担当しているプロジェクト関連であり

です。これが、デスマってるプロジェクトなら考えますが、そもそもその時点で負けだと思います。

ここ1年のチーム運営の結果、私が思っていたよりも役割の委譲自体は進んでいることを実感しています。自分たちの仕事を自分たちで定義し、各自がチームの目的に沿って動ける状態はだいぶできてきてる。フロントを含めた各種プロジェクトの仕事をメンバーに移管することで、チームの状況を把握しながら手を離すことができていることもリモートがうまくいった原因だと考えています。

開発業務において、議論が活発になるところは直接その場でやることが大事ではあると思うので、全員がリモートになるとコミュニケーションの問題が出てくることも考えられます。その時にうまく対面の場を使える(使いやすい)状況にしておけば、大きな問題は起こらないのではないかと思います。

個人のタスクはむしろ捗る

これは主に三つの要因があるかと思います。

  • 拘束時間の甘えがなくなる
  • 病室での作業が中心でサボりの誘惑がない
  • オフィスと自宅(病室)のパーソナルスペースの差

基本的に性善説によって成り立つ制度で、使う側の自立性を促されます。オフィスにいる場合、言い方は悪いですが拘束されている時間にいれば一応仕事したことになります。が、在宅勤務の場合、一応拘束時間はありますがそれをベースにすると嘘をつこうとすれば可能で、それに加えて何をしたか、という実績をなるべく残すような意識が働きました。

サボりの誘惑については病室だから当然ですね。

パーソナルスペースについては自宅や病室のほうが広いんです。現在のオフィスは若干狭くて人の動く気配が気になるくらいの距離。特に自分の背後の距離がちょっと狭すぎます。正直なところ自分がこの距離を気にするタイプだと思っていなかったので意外でした。

チームの中でのタスクのばらし方が重要ですね。個人のタスクとチームのタスク(情報の同期)のバランスによっては、生産性を高めることが予想されます。開発はプロジェクトとしてすべきことをチームで個人のタスクに分解し、その結果を同期することで成り立つ仕事なので、適切にやってれば個人タスクの比率が高くなるはずです。チャットワークなどのツールを活用すれば、リモートでも十分にやっていけるタスクが多いと思っています。

メリット

企業のファシリティ運営コストの効率化

出勤をベースにすると、社員全てが収容可能なファシリティ(オフィスや大小設備関連)の確保が必要になります。しかし、チームミーティングなどを利用して集まることは今までと同じく重要だが、この同期タイミングの場所があれば開発のチームとしては成り立つという考え方はより実感を持ってとらえることができました。そう考えると、ファシリティについて社員全てを収容可能な前提をなくすことができ、運営コストにおいて中長期的なメリットが出せるようになるのではないかと思います。

全員がリモート中心で働くことが可能という状況まで持っていけば、会社の執務スペースを削減することも可能で、ミーティングルームやフリーアドレスの作業スペースがあれば良い、ということになります。また、簡単なチーム内ミーティングで会議室などを使うようにして経費精算すれば、より最適化されたコストになると思います。

また、どこにいても仕事が可能である状況を作っておくのは、災害時や悪天候時の事業継続においても大きなメリットを生みます。ある程度通常業務の延長で臨むことができるようになるはずです。これを前提にしたチーム運営や社内システムの運営をする方が良いのではないかとおもいます。(今時ネットを使えない家はないと思いますし)

採用の効率化、人材の活用

個人の時間の使い方にある程度自由度を持たせることによって、有給を使わなければならない機会が減ります。家族や自分の病気、両親の介護など様々な背景を持つ優秀な人材が、拘束時間という前提があるだけで辞めざるを得なかったりそもそも働く選択肢に入らないというのは中小にとっては大きな損失です。

また、場所の拘束について自由度がなければ、優秀な人材であっても営業所が住んでいる場所にないために勤務できない人材については諦めるという選択肢を取らざるを得ないが、リモート勤務が可能であればそれらの人材についてもアプローチできるようになります。

段階的に取り組みを広げたい

まずは気軽にリモート勤務ができる状態から作っていきたいですね。少し制度上のハードルがあるので。