【読書メモ】2015年11月読了分
いやあ、今月は非常に収穫の多い読書でした。他の月だったら確実に月ベストに入りそうなタイトルに数多く当たっています。グイグイ読ませるものばっかりで、ページ数が多い本ばかりだったのですが、読むスピードが落ちませんでした。
11月の読書量
10冊です。「深紅の碑文」は上下巻だし、「出星前夜」と「火星の人」はともに500ページ以上の厚み、という状況でこのペースは驚異的ですね。いかにこのあたりの作品群が読みやすく面白いかということを表しているかと思います。
深紅の碑文
- 作者: 上田早夕里
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/12/19
- メディア: 単行本
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- 作者: 上田早夕里
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/12/19
- メディア: 単行本
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「華竜の宮」の続編。最終章からエピローグまでのエピソードを描く。
プルームの冬を引き起こす大異変の情報は公開された。資源の確保に躍起になる陸とその煽りを受けた海との闘争は激化する一方だった。一方、それでも宇宙を夢見る人たちがいた。 #読書メモ_サマリ
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 11月 29
ページを繰る手が止まらない、というやつ。幸せな読者体験。前作もそうだったけど、誰もハッピーエンドにならないストーリーなのに、やりきった、という読後感。
テーマももちろん良いけど、これでもかと出てくる名台詞に滾れば良いよ。 #読書メモ_感想
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 11月 29
アドラー心理学入門
アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)
- 作者: 岸見一郎
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 1999/09
- メディア: 新書
- 購入: 12人 クリック: 100回
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アドラーが提唱した、人間関係と目的論をベースにした心理学について、その全体像を説明する。賞罰ではなく学習と自立こそが健全なパーソナリティを築くために必要であるとし、それを育むために必要な人間関係のあり方を説く。 #読書メモ_サマリ
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 11月 29
今の仕事するときに理想的な関係性ってこうだろうな、と思ってた距離感が書いてあった。こういうアプローチがチーム全体でできれば、学習のサイクルもうまく回りだすし、ほっといてもできるチームになると思う。
色々と裏付けられた感があって良かった。 #読書メモ_感想
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 11月 29
出星前夜
- 作者: 飯嶋和一
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/02/06
- メディア: 文庫
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松倉家の入封以来、数かぎりない理不尽な悪政に耐えてきた島原の民は、暴発した若者の事件をきっかけに松倉家の悪政を知らしめるための反乱を起こした。
きっかけとなった若者は、蜂起が単なる暴徒に変わるのを目の当たりにして絶望し、反乱軍を離れてしまう。 #読書メモ_サマリ
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 11月 29
信仰も理想も、集団になるといとも簡単に崩れてしまうことを突きつけてくる。それだけでは絶望してしまいそうな状況に蹴りをつけていく有様が、読んでいて非常に辛かった。
松倉家の顛末をちゃんと調べないと溜飲が下がらないのが、少ししんどい読後感。 #読書メモ_感想
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 11月 29
ゴルディアスの結び目
- 作者: 小松左京
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2015/07/25
- メディア: Kindle版
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宇宙における美の体系と知性の意義への問いに集中した密度の高い四編が収録された短編集。表題作を始め、どれも思索的なスケールの大きい作品。 #読書メモ_サマリ
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 11月 29
小松左京のこだわりが強すぎて、好きだけどあまり人には勧めない作品集。美の体系へのこだわり、とくに「あなろぐ・らゔ」あたりを読んでいると、何故かアレグザンダーの思想と似ている。
ああもう、虚無回廊読み返したくなるじゃないか。 #読書メモ_感想
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 11月 29
バーナード嬢曰く 1〜2巻
- 作者: 施川ユウキ
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2015/07/27
- メディア: Kindle版
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- 作者: 施川ユウキ
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2014/04/18
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なるべく読むことなく「読書通」キャラで押したい主人公?と彼女のストーカーとストーカー数珠繋ぎと面倒くさいSFファンの、本読みあるある。
読みたい本がきっと増える。 #読書メモ_サマリ
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 11月 29
ビブリオでゆかりん姐さんから教えてもらった。SFネタが海外より過ぎててよくわからんとこもあるのだが(日本SFに偏ってるし)、この面倒くささはあるよなあ、と微笑ましくなる。
こういうので読んでる本が出てくると描かれ方が気になるなる。 #読書メモ_感想
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 11月 29
サービスデザイン入門
これからのマーケティングに役立つ、サービス・デザイン入門 -商品開発・サービスに革新を巻き起こす、顧客目線のビジネス戦略
- 作者: J.Margus Klaar,長谷川敦士,郷司陽子
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2015/10/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ユーザーが自社製品に感じている価値を発見し、改善、再設計するための方法について、入り口と全体像を紹介する。
具体的な手法よりは思考法とその背景が中心。 #読書メモ_サマリ
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 11月 29
仕事で必要になった。まずは通読したけど、中途半端に使ってる言葉が開発サイドとかぶっていたり、それが微妙に意味の捉える範囲が違っていそうで、どこか間違ってるんじゃないかという感じで読んでた。
会社に置いて、まとめながら読み返してみる。 #読書メモ_感想
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 11月 29
今日からはじめる情報設計
今日からはじめる情報設計 -センスメイキングするための7ステップ
- 作者: アビー・コバート,長谷川敦士,安藤幸央
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2015/10/22
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インフォメーションアーキテクチャが使っている問題解決のために情報を整理する方法をIA以外の人でも利用可能なように専門用語をなるべく用いずにパッケージ。 #読書メモ_サマリ
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 11月 29
これも仕事向けなのでまずは通読。
データに構造を与えて、整理して情報にするためのやり方がわかりやすく書いてある。職種を選ばない本。
IAに興味はあるけど、どこから入ったら良いか、という人にもオススメ。 #読書メモ_感想
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 11月 29
ユーザーストーリーマッピング
- 作者: Jeff Patton,川口恭伸,長尾高弘
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2015/07/25
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ストーリー駆動の開発でありがちな全体像の喪失を起こさないように、ストーリーの構造にマッピングする方法を提供する。また、構造を与えられたストーリーのライフサイクルをどう維持して開発を進めていくかについても説明する。 #読書メモ_サマリ
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 11月 29
まずは通読。これの前に買った二冊とともに、ここしばらくの仕事に対するコンパスになる本。
少しずつ積み重ねる重要さと、続ける際の注意点がたくさん。用語についてのラフさも読みやすさの一端。 #読書メモ_感想
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 11月 29
火星の人
- 作者: アンディウィアー
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/09/30
- メディア: Kindle版
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天候不順によるミッションの途中終了決定に伴う火星からの退避中に宇宙飛行士ワトニーは嵐で飛んできたアンテナの直撃を受けて取り残されてしまう。
救助が来るあてもなく、地球と連絡を取るすべもない状態で、ワトニーはどうやって生き残るのか。 #読書メモ_サマリ
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 11月 29
まさかダンジョン飯方面の面白さだと思わなかった。ハードSFコメディというよくわからないジャンル。でも、しっかりSFなのが凄いところ。
映画オデッセイの原作。マット・デイモンがワトニーするかと思うとワクワクする。映画の予告編が感動巨編みたいだけど大丈夫だろうか? #読書メモ_感想
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 11月 29
ランド 2巻
- 作者: 山下和美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/11/20
- メディア: コミック
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「あの世」を見た杏は、捨てられた姉がアンだと気づく。あの世が自分の思っていたものと異なると知る。
「この世」では不安が広がり、民衆は不安を抑えるための生贄を欲し始めていた。 #読書メモ_サマリ
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 11月 29
あの世がどうとかいうよりも(まだ終わってない作品だし、1巻で持ってくる時点でアレがオチではないはず)、無知な民衆の群衆心理の気持ち悪さが際立つ。
「この世」の獣面の登場人物の一部のセリフ回しが意図的かどうかが少し気になる。 #読書メモ_感想
— あべさん@一人アレグザンダー祭 (@mao_instantlife) 2015, 11月 29
11月のベスト本
「深紅の碑文」で決まりかと思うでしょう?いや、結果「深紅の碑文」ではあるんですけど、これが「出星前夜」と「火星の人」も外せないくらい面白いんですよ。月がばらけていたら確実にそれぞれベスト本になってたでしょう。
ちなみに
「サービスデザイン入門」「今日からはじめる情報設計」「ユーザーストーリーマッピング」は今後1年くらいは仕事上のコンパスになりそうです。