冥冥乃志

ソフトウェア開発会社でチームマネージャをしているエンジニアの雑記。アウトプットは少なめです。

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プランニングポーカーをやってみた

時期的に見積もりを依頼される、かつ新しいことを始めやすいタイミングなので、見積もりにプランニングポーカーを使ってみることにしました。プランニングポーカーがどんなものかは、下記エントリに添付されているryuzeeさんの資料が一番わかりやすいのでそちらをご参照アレ。

www.ryuzee.com

元々やっていた見積もり

大体見積もってほしいものがリストアップされてきた時期に、メンバー全員で半日くらい議論する時間を取って実施していました。まずこの時間で、リストアップされたアイテムに対して不明点や設計上の注意などについて議論し、アイテムの特徴についての共通したイメージを作ります。その議論の内容を元に後から見積もりを作成する、という流れで昨年度までの1年間実施をしていました。

私がこのチームのマネージャになってからこの流れに変更したのですが、一番重要視したのはメンバー全員が議論に参加することです。

チームで見積もりをする意図

きっかけは案件のスタート期なので、対外的には予算取りのための工数見積もりなんですけど、チームとしては単なる目安の数字でしかありません。ぶっちゃけた話、その期間で人が担当できる分しか見積もりできないですし、それでできるかできないかは、後で統計とれるかもしれませんが結果論です。アイテムの見積もりをするくらいだったら、この期間これだけの人数で継続開発する前提で予算とって、優先度高い方からやってリリースしていった方が効率がいいと思いますです、はい。

それよりも重要なことは、チームで見積もりをする中で、アイテムについてチームがわかっていないこと、理解のためにもっと質問したり設計したりしないといけないことを議論の中でちゃんと言葉にしていくことだと思います。メンバーがそれぞれ持っているプロダクトに関する視点が違うので、集まって議論をすることでアイテムについて多角的に見ることができる様になります。その中で、案件に出てくる制約(あらぶる四天王的な)と折り合いを付けるにはどうすれば良いか、あたりが見えてくる様になります。

見積もりでは、チームで案件についての理解を深めることに重きを置いています。プロダクトについての知識をある程度定量的に図る指標として、見積もりと実績値の統計をとっても面白いのかもしれませんが。

なぜ、プランニングポーカーなのか

今までの見積もり手法でも議論はできてるんですが、アイテムの説明なりイメージを媒介にしているので、ちょっとした前提の掛け違いが表現に表れないとかで、そもそも認識の違いが議論に現れないということがあります。プランニングポーカーは一度量的なところに変換するため、差に現れやすいのではないかと思います。つまり、議論しておかなければならないところを見逃しづらくなるのではないか、ということ。

より、議論の質が上がって、なおかつ長時間の見積もりミーティングが楽しくなれば良いな、と思ってプランニングポーカーをやってみることにしました。

ペア・プランニングポーカー

持っているプランニングポーカーのカードのセット数が人数分足りなかったこともあり、ペアで見積もりカードを出してもらう様にしました。ペアでやるために流れとしてカスタマイズしたのは、アイテムについてチームで議論をしてカードを出す前のところで、ペアで3分くらい議論をして論点をまとめた上でカードを出してもらうようにした点です。

特に狙った訳ではなく、仕方なくという感じだったのですが、カードを出す前に具体的な議論をしていることでその後の見積もりの相違を確認するための議論で論点が整理されている気がしました。

まとめ

メンバーにもそれなりに楽しんでもらえたようですし、見積もりした内容についても突っ込んだ議論ができたので、まずは良い感触を掴めました。今回の変更で「見積もりを通じてチームの理解を深める」という本質は変わっていませんし。続けてみて、見積もりの意義を深めていけるように改善していきたいとおもいます。