意識低い読書のススメ
一言で言うと、意識低い低いしたら、逆に視野が広がったという話。後、座駆動のステマ。
そろそろ不惑が見えているのに自分の足下(思想、信条的な何か)の基盤ができてない気がして、今年は技術書を読まない方向で読書をしております。同時に技術的なインプットやアウトプットも今年は減らすようにしてます。自分戦略的にリスク高いんですけど、エンジニアでない時間の自分を見たときにあまりに面白くないことに気づき、そっちの危機感の方が高くなったので仕方ないです。後、技術に対するラットレース的な状況もぶっちゃけ疲れるので、適度に休まないとな、というのもあります。
というわけで、今年の読書のテーマは「乱読、多読、趣味」の三本柱を立てております。読んだそばから忘れていくのもなんなので、地味にこんなものを続けてみたり。
メモつけ始めたのが昨年末で、実質今年に入ってから読んだ本ばかりです。数を数えてみたら40冊*1超えてました。月10冊程度のペースで読んでいます。年100冊行きそうですね。学生の頃の自分からは「なんだよ、100冊程度かよ」という突っ込みがきそうですが、そもそもあの頃の自分は大学行かずに本読んでたので暇さにおいてレベル違いすぎます。まあまあの読書量だと評価して良いのではないかと思います。
特に数を競っている訳ではないですが、不思議なことに趣味的な読書に振り切ると次から次に読みたい本が出てきました。楽しみながら読む本の数を増やして、幅を広げるために気を使っていることをまとめてみました。
本探しについて
本を読むためにはまず読みたい本と出会う必要があります。
偶然の出会いならリアル書店
Amazon便利ですね。リコメンドはあるし、ちょっとマイナーな本だと書店に頼むより手に入るまでの時間がずっと短い。本を買うということに関しては、リアル書店よりも時間的なリソースを短縮してくれます。
ですが、偶然の出会いというのは起こしづらい気がしています。時間があるときに本屋に行って、1〜2時間気になる棚を舐め回すように見て、作者の名前もジャンルもよくわからないけど、1冊妙に気になるタイトルがあったりする。そういう出会い方をした本がこれからの自分にとって大事な本になったりすることもあります。こういうのは、検索や好みの統計があるAmazonの中では発生しづらいんですよね。なので、大きなリアル書店に行って本を選ぶ時間が大事だったりします。
新しい領域の開拓
結構悩ましい問題ですよね。好みの棚だけ探していくと新刊を追いかけるだけというか、表現のメソッドに慣れて読むのは格段に速くなっていくんですけど、新鮮な読後感には欠けるようになってくるというか。新しい領域の開拓は、読書を続けていくためには重要な要素だと思います。
一番楽なのは、周辺領域を攻めていくという基本戦略です。そのために私は文庫本を中心に買ってます。安いことも有るのですが、何より解説があるからです。そして解説者のジャンルや肩書きに注目しています。だいたい同じ領域の人が解説書いているんですが、クロスオーバーする領域があったり特殊なテーマの小説だったりすると、全く異なるジャンルの人が解説を書いていたりします。
青空文庫、ありがとう
本を買い続けるのはお金がかかります。限られたリソースの中で読書量を増やしつつ呑みに行くだけの余裕も欲しいというのが人情です。そう言うときには青空文庫を活用します。
例えば、明治から大正期あたりの文学的にも思想的にも重要なポジションの人の著作がパブリックドメインになっているんですね。西田幾多郎や三木清、芥川龍之介などなど。しかもほぼすべてが名著レベルです。青空文庫を通じて「茶の本」や「いきの構造」、「哲学入門」に出会うことができたのは大きな収穫でした。
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読む順番大事
本には出会う順番と読む順番があります。これはもう明確に。挫折するような順番で読まないこと、これ重要です。もうね、哲学の歴史も思想の概要も知らずに「存在と時間」とか読もうとしちゃダメなんです。前衛がどれだけトチ狂ってるか知らずに「フィネガンズ・ウェイク」とか読もうとしちゃダメなんです。
なぜダメかというと、苦手意識ついてしまってその後の出会いの幅を狭めてしまう可能性が高いからです。事実、私は上記2冊に挫折して以来、ハイデガーもジョイスも読んでいません。読んでみたいとは思っているのですが、ハードルが高いものと思い込んでしまってなかなか手が出ないのです。入門的な、読了している人が多いベタそうなものから読んだ方が良いと思います。
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【番外編】ブックオフは住んでる地域による
金銭的リソースを有効に活用するという意味でブックオフは非常に効果的な選択肢の一つと言えます。ですが、古本なので必ず在庫があるとは限らないのが現状です。また、品揃えにある程度地域色が出てしまうような気がします。そのため、周囲に住んでいる人と自分のアンテナの方向性が違ってしまうと選択肢にならないということもあり得ます。
私の場合、家から最寄りのブックオフではあまりヒットする本がないのが現状です。そのため、クリアしたゲームを売りにいくか、掘り出し物をダラダラと探す以外の目的ではあまりいかなくなってしまいました。
インプット/アウトプットに対する考え方
もう少し読書という行為を軽く捉えるために。
無理に得るものを作らない
「読書から何か得なければならない」とか幻想です。目を覚ましてください。
まあ、幻想まで言い切ってしまうと問題はありますが、そんな縛りプレイのような決めごとをしなくても読書しましょうよ、という話です。本には色々あるんですね。例えば「無知の涙」とか「ぼくんち」なんて書かれた状況が極端すぎて、何も感じるとることができない人とかいる訳です。読書は作者と読者のコミュニケーションなので、どうあがいても成立しない人というのはいる訳ですよ。
そういう時に「何か得る」ための読書をしていると、それを時間の無駄に感じてしまいます。お互い*2に時間を使ったという事実に対して、それは非常にもったいないですね。肌に合わなかったり理解できなかったりするかもしれませんが、それはそれとして「そういう人もいる」と視野が広がったと捉えましょうよ。
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アウトプットよりも自分へのインパクトの方が大事
「本を読んだら冷静で的確なレビューを」とかハードル高すぎます。評論家でもない素人に何を求めているんですか(求めてない)。
それをコンテンツとして捉えている人であればそうすれば良いと思いますけど、そこにこだわらずに読書を楽しめば良いと思います。ただ、そこに使った時間に対してどう思ったかは記録を残しておくと面白いと思います。1行の感想でも良いんです。立派な印象批評*3ですよ(違。
読書の大半は個人的な体験です。その経験が自分の人生にとってどれだけインパクトがあったかと、経験がコンテンツになるかどうかは別のこととして捉えた方が幸せな読書生活を送れる気がします。コンテンツにならなくても、自分の人生にインパクトがある経験ができた方がきっと充実感は大きいと思います。
まとめ
意識低い読書でも、読書は読書です。というか人類が編み出した娯楽の一つなんで、楽しめば良いんじゃないですかね。
後、面白い本読んだらぜひ紹介してください。こんなイベントがありますよ。