冥冥乃志

ソフトウェア開発会社でチームマネージャをしているエンジニアの雑記。アウトプットは少なめです。

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無料のオンライン講座を受けているのでその所感など

大学の時にちゃんと勉強してろよということに尽きる訳ですが、今更ながら色んな分野で学びたいことが増えてきました。さすがに4年制の大学に行き直すことは学費的にも時間的にも厳しいので*1、無料で公開されている講座を幾つか受けてみることにしました。

OCWMOOCs

オンライン教育サービスは大きく分けて二つの流れがあるようです。それが、OCW(Open Course Ware)とMOOCs(Massive Open Online Courses)です。
OCWは、大学や大学院の講義と関連情報をインターネットを通じて公開する活動のことで、世界で初めて取り組んだのはMITとのことですが、今では世界中の大学で取り組まれています。オープンコースウェアで検索してみても、各大学のサイトがヒットするので、既に一般的なものと見て良さそうです。放送大学でもやっていますね。
一方MOOCsはインターネットを通じて講義を公開するのはOCWと変わりませんが、ディスカッションの場や反転学習を設けたり、一定の条件を満たせば修了証(単位とは異なる)を発行したり、学びの場を提供するものです。まだアメリカがサービス提供の中心となっており、大学が主体となっていることは少ないようです。

gacco

NTTを中心に運営されている、日本で開設されたMOOCsサービスです。ビジネス、人文よりの講座で、かつ入門的な講座内容が多いような印象です。私は現在、経営(マネジメント)入門など、ビジネス系の講座をいくつか登録しています。
講座は1回の内容が10分程度の短い動画に分割された形で提供され、各回の終わりにレポートを提出する形式です。講座の公開時期、レポートの提出時期は指定されています。
レポートは相互採点により得点付けされ、講座修了時に合格ラインを超えていれば修了証がもらえます。

メリット
  • 講座内容についてのディスカッションや反転学習があり、理解を深めることができる
  • 短期集中講座(だいたい4回で1セット)なので、比較的時間の融通が楽
  • 公的な単位ではないが成績が付き、修了証がもらえる
デメリット
  • レポートに提出期限がついているため、仕事がすごく忙しくて期限切れしてしまった後のモチベーションが保ちづらい
  • 入門的な内容がほとんどであるため、深く実践的な内容を学びたいというニーズには(現状のコンテンツでは)対応できない
  • 反転学習が大都市でしか行われない

iTunes U

Appleが運営しているOCWのためのプラットフォームです。慶応大学や京都大学、海外の大学の講座も公開されています。
コンテンツをダウンロードしておけば、iPhoneiPadでも講座を見ることができるのが特徴です。OCWなので公開されている講座へのサポートはありませんが、大学の講座をそのまま受けることができるので、内容の専門性については高いと思われます。また、大学の基調講演の内容なども公開されていることがあります*2
私は現在、パターンランゲージやコンピュータアーキテクチャの基礎など、割と専門性が高い内容の講座をいくつか登録しています。
レポートの採点などはありませんが、講座によってはレポートの課題もそのまま公開されているので、自分でやってみることはできます。

メリット
  • 専門性の高い講座(大学生が受けているものと同じ講座)を受けることができる
  • レポート提出など期限が設けられていないため、特定の時期に縛られずに学習できる
  • やろうと思えばiPadiPhoneなどでも講座を見れるため、場所を選ばない
デメリット
  • 講座によっては録画時期が古く、最新の内容ではない可能性がある
  • 大学の講座の内容と同じなので半期分が1セットになっており、学ぶためにはある程度まとまった時間が継続的に必要
  • 時期的な縛りがないので、自分の意志が強くないと継続できない

まとめ

もし、大学で受けるような専門性の高い学習コンテンツに興味があり、かつ学士の修得にこだわりがなければ、このようなサービスを有効活用してみるのも良いのではないでしょうか?双方にメリットとデメリットはありますが、どちらも無理のない範囲で学び続けることはできるかと思います。
まあ、個人的には大学中退の身なので、学士には多少のコンプレックスがあるのですがね。。。

*1:放送大学も考えましたが、まだお金の面で余裕がないので見送り

*2:慶応大学がアラン・ケイの基調講演を公開している